STRAWBERRY FIELDS FOREVER

今になってまともに『金八先生』をみている。第2シーズンだ。
いろいろと興味深い。
教室狭すぎんだろ。
田沢先生いろっぺー!
やっぱ昭和っていいなー。
なんたってホンマモンの昭和やからな。
あとから作られた「昭和」とはワケが違う。
偏差値至上主義へと突き進む中で、成績ではなく生徒の個性を尊重し、これから歩んでいく人生の一助たろうとする金八先生の姿に共感。
あの当時の作り手たちは、今の現状を予想できただろうか。
あるいは、あきれはてるだろうか。



天地明察』がようやく終わった。
終わったはいいが年末まで予定がなく、ぽっかり穴があいてしまった。
「無蝕でございます」
そう言われて嬉しいのは映画の中だけだ。
だれが無職やねんと。
そしてもうひとつの不安。
DCP。
デジタル・シネマ・パッケージの略だそうだ。
天地明察』で嫌というほど聞かされたこの言葉、今後劇場に提供する形がフィルムでなくなり、ハードディスクやテープになる、というものらしい。
これも時代の流れということか。
撮りはフィルムでも、最終的な納品はデジタルになっていくのが主流となるようだ。
地デジ化の移行を想起してもらうと分かりやすいと思う。
指定された日時はないが、ほぼ瞬間的に全国の映画館がDCP上映に切り替わる。
このことがもたらす影響は、はかりしれない。
まず、ネガ編集の仕事がなくなる。
DCP映写機を買えない映画館はつぶれる。
スクリーンに映されるものが、毎秒24枚の写真ではなく、24枚のプログレッシブ映像になる。
特に3番目。
これを、「映画」を根本から覆すような大事件、と言ったら保守的すぎるだろうか。
しかもこの変革、業界外の巨大資本ではなく、映画業界自らが率先して行うというのだ。
ちょっと何言ってるかわからない。
わからないことはないが。
先にも述べたが、フィルム映写は1秒間に24枚の写真を切り替えて投影する。
この写真と写真を切り替える狭間に、視認できるほどではないが「黒」が存在する。
プログレッシブにはそれがない。
視認できないんだからなくてもいいじゃないかとも思うが、実際目の当たりにすると違いは歴然だ。
そして、これは作り手側の問題になるが、DCP上映は所詮デスクトップなのだということ。
AVIDのモニターがフィルムに変わる瞬間を経ないDCPの作業工程では、0号、初号を迎えようと、スクリーンがいかに巨大であろうと、モニターを観させられる感覚がついてまわる。
ひとことで言うと、安っぽいのだ。
ああ、映画だ〜というお得感がない。
もちろん、これらは感覚的な問題だ。
一般のお客さんが違和感を抱くレベルのものではないし、科学的に検証すれば、両者の違いはさほどないのかもしれない。
あくまで、私的モチベーションの問題なのだ。
光と影の国からやってきたフィルム映写が、今大きくその姿を変えようとしている。

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『スペル』(2009)★★★☆☆
自宅にて。
トムとジェリー』顔負けのスラップスティックアクションが拝めたのは感動した。
やはり自分の中でのサム・ライミはこれだ。
死霊のはらわた』なのだ。
しかし、それがCGの産物となると魅力半減。
CGがもたらした功罪は大きい。
ロマンは犠牲になったのだ。

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『世界侵略:ロサンゼルス決戦』(2011)★★★☆☆
自宅にて。
インデペンデンス・デイ』のリアル版という印象。
エンタメの常として、敵の正体は絶望的にデカイ。
見た目にも武力的にも、とにかくデカイ。
観客の絶望感を煽るためにそうなってしまうのだろう。
そういう敵をもってくると『スターウォーズ』よろしく、単騎でコアを爆破というお決まりの打開策をもってくるしかなくなる。
しかし、それをリアル路線でやるにはあまりに説得力に乏しい。
やはり、圧倒的不利な局面を特攻精神で打開という話は、リアル路線よりもフィクションを割り切った作りのほうが向いてると思う。
桶狭間ならいざしらず。
フィクションに重力を与えるために、ある種のリアリティは不可欠だが、それは決してドキュメンタリーチックに、ということではないのだ。

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『リトルランボー』(2007)★★★☆☆
自宅にて。
中盤までは傑作の予感に身もだえしたが、思い過ごしだったようだ。
うあああ、もったいねええええ!