のるうぇ〜の森

打率が落ちている。
スランプという自覚はない。
むしろ、向上しているとさえ思う。
それが驕りなら、それが原因なのだろう。
仕事し過ぎもあるかもしれない。
振り向けば、技師として過ごした時間が、助手としてのそれを上回ってしまった。
何を落として何を得たのか。

今にして思うことは、去年の9月に沖縄で会った海がめのこと。
人気のない雨天の浜で、半ば捨て鉢に潜って振り返った先に現れた巨躯。悠然と漂うその姿に感動のリミッターは振り切れ、理由もなく感謝の念が全身を貫く。

歴史的遭遇より遡ること3時間前。
その日は、3階のテラスであいにくの雨を恨めしく眺めていた。
テラスには見慣れない金髪の女性がランチを取っていた。
ノルウェーから来たというその女性は、陸に上がったデデューさながらで、食するパンも、傍らの小説も、くゆらすタバコもエレガントだった。
ふたりきりのテラスに北欧の風が吹く。
いかん、ものすごいキンチョーしてきた。
そう思って着きの悪いライターと格闘していると、彼女が好意で応えてくれた。

あるとき 女を引っかけた
それとも こっちが引っかけられたのか
いいじゃないか ノルウェーの森

さぁ来い! 降りてこい! 英語の神様!

「う、うぇあー ううぇあー あーゆーふろむ・・・」
がらがら ばたん!
カミサンがあらわれた!
「あ、ここにおったん。 洗濯するから洗いもんあったら出して」
「・・・あ、いや、ない…かな」
「雨やまんね」
「うん・・・ あ、洗濯終ったら持ってくから下で待ってたら?」
「なんで?」
「いや、別に・・・」

翌朝目が覚めると僕はひとり
かわいい小鳥は飛んでいってしまった
いいじゃないか ノルウェーの森

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『最高の人生のみつけかた』 ★★★★☆

世界最速のインディアン』を観た時に、アンソニー・ホプキンスの青い瞳がレクター博士のソレではないと判るまでにしばしの時間を要したように、今作のジャック・ニコルソンの悪魔のような笑顔がジョーカーのソレではないと判るまでにしばしの時間を要した。
日本では必ずといっていいほどウェットに転がるお話を、男寄りとはいえ、チャーミングに描ききったその手腕が羨ましい。
このお話、果たして女性は受け入れてくれるだろうか。

                                                                            • -

『僕の彼女はサイボーグ』 ★★☆☆☆

これほんとに『猟奇的な彼女』の監督?
政治に翻弄されたのか?

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『ミスト』 ★★★★☆

これを今のアメリカで作った制作陣と、ラストを思いついた監督はスゴイ。
時代の必然とはいえ、かなり勇気が必要だったのではないか?
それだけに、散見できる甘い詰めが惜しまれる。
どことなく『seven』を思い出す。

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ミラクル7号』 ★★★★☆

やりたいこと、やらなきゃいけないことを理解して、それを徹底してるチャウ・シンチーは清々しい。

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『ハンコック』 ★★★☆☆

落ちぶれたヒーローという設定を開巻早々に、技術力と財力でもって派手に判り易く提示できるハリウッドが、ただただ羨ましい。

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青春デンデケデケデケ』 ★★★★★

DVDにて3度目の鑑賞。
最初に観たのは、『アイデン&ティティ』製作時だったか。
何度見ても学園青春映画の金字塔。
でもスタッフだったら、あの節操のない編集にウンザリしてたことは確か。
でも、こうして作品として観ると、あの編集だから出せてる味があることも確か。
つまり、俺が参加すると、オペレーターでもない限り、ああいう作品は産まれないということ。
むぅ。

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『あの頃、ペニーレインと』 ★★★★☆

DVDにて2度目の鑑賞。
墜落寸前の機内での会話に爆笑。
バンドの危機的状況を何度も迎えるけど解散しないとこがいい。

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がんばっていきまっしょい』 ★★★★☆

DVDにて初鑑賞。
俳優にとってのミラクル。
それは、『20世紀ノスタルジア』における広末涼子であり、『セーラー服と機関銃』の薬師丸裕子であり、今作の田中麗奈
撮影が素晴らしい。画力に溜息。

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ダークナイト』 ★★★★☆

ヒリヒリする。
残念ながら巷で謳われてるほどの傑作感は体感できず。
しかし、あんなに厄介事が畳みかけてくる街のお巡りさんになったら楽に過労死できる。
それでも正義から踏み外さないゴードンが哀れでしょうがない。
デントは異形の者にならないで転落したほうがより哀しみが出たと思うのは素人思考か?

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モンスターハンターP2G』 ★★★★★

星五つでも全然足りない。
この歳になっても3か月みっちりやりこめるGAMEに出会えたことが嬉しい。
ありがとう!

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グーグーだって猫である』 ★★★☆☆

師匠が絶賛してたので観た。
優しさと愛に満ちた映画。
でも、私的bestは『金髪の草原』かな。