S#29 海の見える丘の診療所

soichi_ueno2007-09-03

【前回までの粗筋】
住宅購入の理不尽な冷遇に憤るも黄金の精神をその手に掴もうと発奮する亭主。そんな亭主を落雷がキックする。一方その頃・・・


ピノコ「公正なゆ闘いは内なゆ不安を取い除く 我が名はロォードアゲイン、よよしくお願いもーしあげゆ なーんて! カッコイイよのさ〜(ウットリ)」
BJ 「おい、ピノコ いいかげん寝たらどうだ?」
ピノコ「しばっ! 乗りこえなくてはならない壁は! とぉー! 男のセカイ!」
BJ 「いてっ」
ピノコ「きゃっ きゃっ」
 ぶろぉぉぉぉ・・・
ピノコ「あや、お客さん?」
 ドカドカ ガチャリ
D  「無免許エディターのセンセイ様ってのはいるかい?」
BJ 「なんだい、おたくらは」
P  「おいよせ、こんなヤブに頼むことはない」
D  「うるせぇ、あんたかい、どんな病気だろうとたちどころに治しちまう編集マンってのは」
BJ 「相応のモノはいただくがね」
D  「こいつを見てくれ」
 ドン!
BJ 「む、これは・・・」
D  「この秋公開予定の撮影素材さね」
BJ 「ひどい・・・ クモ膜下出血がチアノーゼで空気塞栓だ」
ピノコあっちょんぶりけ」
BJ 「なぜもっと早く連れてこなかった」
D  「なぜ? ふん、そいつはそこに居るPに聞いてくれ」
P  「なんだと、私の所為だと言うのか!?」
D  「おおともよ、お前さんの無計画で日和見的なシキりがそもそもの元凶だろうがよ」
P  「貴様のその転嫁癖で何人メインスタッフがやめたと思ってるんだ!」
BJ 「痴話喧嘩は外でやってくれないか」
D  「センセイ、頼む、こいつを治してやってくれ オレの監督生命がかかってるんだ」
BJ 「たしかにわたしゃ編集マンだがね、施しようのないモノを治すことは出来んよ」
D  「なんだと!?」
BJ 「ハッキリ言おう お前さんが持ってきたソイツは死人さね 政治と企画に陵辱された亡骸さ 死人を編集するのに監督生命もイカの頭もありませんな」
キリコ「私の出番かね」
BJ 「呼んでねえ!!」
キリコ「フ フ フ ・・・ 見ている 私はいつだって見ているぞBJ」
D  「センセイ、今コタツに入ってった人は?」
BJ 「ああ、気にせんでくれ とにかく、この患者は引き取れんよ、さっさと帰ってくれ」
D  「あんたそれでも編集マンか! NGでも見てみようかなとか、CGでごまかそうかなとか、なんかやりようあんだろ!」
BJ 「知ったふうな口をきくな!!」
D  「何!」
BJ 「お前さんたちに愛があればこんなふうにはならなかった! 患者をここまで手遅れにしたのは他の誰でもない、お前さんたちだ」
D  「む・・・」
BJ 「私に払う金があるなら、せいぜい追撮でもおやんなさい」
P  「ちくしょう、だからこんなヤブに頼むのは止めようと言ったんだ」
D  「うるせぇ、てめぇはいつも代案も出さずに批判ばっかりで!」
P  「こうなったらカンヌで・・・」
患者「あ・・・ う・・・」
ピノコ「センセイ、この子生きてゆ!」
BJ 「む、どけ!」
患者「あ・・・ う・・・」
BJ 「信じられん、なんとゆう生命力だ ピノコ、オペの準備を」
D  「治してくださるんで」
BJ 「ああ、出来るだけのことはやってみよう」

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BJ 「まず脚本の構成を大幅に変える 無駄な登場人物もエピソードも省く わけのわからんタイアップ曲も外す」
P  「そんな!拝み倒してやっと出てもらった人気タレントを」
BJ 「観客は誰も望んどらんよ メス」
D  「脚本も改訂なさるんで?」
BJ 「脚本はデッサンにすぎん 私にとって肝心なのは今ココにある素材だ ドレーン」

ピカッ! ドーーン!
ゴロゴロゴロ・・・

P  「わ、わ、て、停電だ!」
BJ 「慌てなさんな ここからが真の覚悟だ ナムサン!」
 ブツリ
患者「く・・・」
BJ 「わー、間違えた! こっちだ」
 カチャ
BJ 「ふー、終わった」

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ちち、ちゅん ちゅん
ピノコ「ウソをちゅいてるかどうか皮膚をナメればわかゆんさ この味はウソをちゅいてる味らぜ」
 べろん
BJ 「わ、よせ、ピノコ!」
ピノコ「きゃっ きゃっ」
TV 「次のニュースです この秋公開予定の『OOO THE MOVIE』ですが・・・」
ピノコ「センセー、これこの前の患者さん」
BJ 「ふむ、そうのようだな」
TV 「出演者の大麻所持発覚により公開中止となりました」
BJ 「なんだって!!」
TV 「逮捕されたのはOO事務所所属の・・・」
BJ 「馬鹿なことをしてくれたもんだ くそっ! あの患者は完璧に生き返らせたんだ 逮捕だって !? そればっかりは私の力ではどうすることもできん」
ピノコ「センセイ・・・」
BJ 「うるさい!」
本間「人間が生きものの生き死にを自由にしようなんて、おこがましいとは」
BJ 「やかましい!!」
オムカエデゴンス

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『BIG』 ★★★★☆
DVD鑑賞。
やっぱりオレは、こういう映画が作られた世代の申し子なんだな〜と実感。
シックリくる。 シックリくりくりクリっくり。
トム・ハンクスはもちろん、出ている役者がみんなイイ。
これ女性監督なんよね〜。
確かにちょっと上品なんよね。 ロマンスの比重高いし。
でもオッサンのオレも楽しめたし、少年っぽさをよく研究してるよな〜
残念だったのはジョシュが元の年齢に戻る決心をするに至る葛藤がイマイチよう判らんやったこと。
これはやっぱり、編集がウマくいってないんじゃ・・・
一番魅力的だったのはあの社長だな。