やっぱり我慢できない

開幕のブザーが鳴ってまずお目にかかるのがCM。高校生割引CMにもようやく慣れてきた。この前行った新宿ピカデリーシネスイッチ銀座では、開幕前の場内が明るい時にも、プロジェクターで静止画CMを流していた。なるほど、効果的で合理的かもしれない。
CMが終わると予告編。次に劇場に足を運ぶキッカケを与えてくれるのがこの予告編なので、本編前のちょっとしたお楽しみ時間。今日の収穫は『SAYURI』の予告編でした。そして、さあ、いよいよ本編!
本編がシネスコの場合、予告編が終わるとスクリーンが「ぐぃ〜ん」と横に拡がって、「おでましかい」というこちらの期待感を煽ってくれる。
しかし… ああ!やっぱり我慢できない!
なんでこの期待感を煽ってくれる「ぐぃ〜ん」のあとに、「海賊版撲滅キャンペーン」のCMが流れるのか!?女の人がじぃ〜っとこっちを見つめてて黒い涙を流すやつ。もう台無しですよ。ぐぃ〜ん後ってことは本編直前ってことですよ。ぐぃ〜んのあとに来ていいのは本編だけなんですよ。ギャース!!
一番入ってほしくないところでしゃしゃり出てくるから、まあ、ある意味効果テキメンなんだろうけど、もうちょっと配慮してほしいです。

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■『シンデレラマン

この作品の予告編を何度か見ることがあったけど、そのたびに「ああ、観たいなぁ」と思っていた作品。観ただけで内容のほとんどが判ってしまうダイジェストのような予告編だったので、おそらくその王道っぷりに自信があるんだろうなぁ、と。実際、ジワリとした感動を覚えてたし。
で、本編。完成度は高いです。144分という上映時間もまったく気にならなかった。字面だけではピンとこない「大恐慌時代」を感じさせてくれもする丁寧なつくりでした。しかし、残念ながら自分の求める王道はなかった。良くも悪くも教科書的というか。なんでしょうねぇ。せめて、それまで丁寧に描いてきたものがラストファイトで爆発してくれれば、もう少し違った印象を抱いたのかもしれないですけど。この作品と『遠い空の向こうに』をジックリ見比べれば、王道なるものの正体が少しは掴めるかもしれません。