Maxwell’s Silver Hammer

最近の洋画は、あまり観る気がしない。
洗練されすぎていて、手に負えないのだ。
誰が撮っても、どれも一緒に見える。
作り手がこんなことでいいのか?と自戒するけど、こればかりはどうしようもないことをここに白状しておく。

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バトルシップ』 (2012)★★★★☆

自宅にて。

おまえ、呼んどいてそれはないだろうとは思いつつも、Just not today!!
音の使い方が気持ちいい。
あと、位置関係や状況説明が丁寧だった。
ユニバーサル100周年作品で主人公の相棒に日本人を持ってきたのは驚いた。
興行にも関係するだろうに。

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『神弓』 (2012)★★★☆☆

自宅にて。

単身、弓だけで追手から逃げる。
ただそれだけの内容でテンションの高さを持続させた手腕に感心。

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椿三十郎』 (1962)★★★★☆

自宅にて。

黒澤明52歳の作品。
ありとあらゆることを知り尽くした者が撮る作品のスゴみに絶句。
馬が、刀が、画面に映っただけで恐怖する。
白黒なのにだよ。
馬が出ただけでビビるなんてことがあるとは。
その存在感。
台詞も素晴らしい。
抜き身だの、虎だの猫だの、端的で比喩がうまい。
いちいち耳に残る。

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『幕末太陽伝』 (1957)★★★★☆

自宅にて。
掴みのいい導入を用意したにもかかわらず。
かかわらず、オープニングで現代の品川を映し出す。
ナレーションまでつけて。
なんという大胆不敵さ。
当時の品川を(たとえそれがフィクションだとしても)完全構築した世界観が見事。
歴史資料としても秀逸。

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『アルゴ』 (2012)★★★☆☆

劇場にて。
普通に娯楽映画だった。

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悪の教典』 (2012)−−−−−

劇場にて。
悩む。
北九州監禁事件や、津山30人殺し、その他の猟奇ものには興味があった自分だが、この作品を観終わっての感想は、ただただ不快。
サイコパスの映画を作るとしたら、
ホラー映画のケレン味や娯楽性を注意深く排除し、溜めや緩急もつけず、ただただ邪魔者を消す作業を繰り返した内容は、表現として正しいと思う。
被害者に感情移入させなかったのも、正しい。というか、優しい。
東宝公開にもかかわらず、不快に感じさせることを恐れず、日和見的にならず、貫き通した精神も見事。
しかし、この映画で何をお客に伝えたかったんだろう。
それがわからない。
主人公は後先考えないバカだし、あえて目立つ教職についた意味もわからんかった。
『Henry』を思い出した。