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何しとんならぁ! と ラース・フォン・トリアー は耳触りが似ている。

下品なほどに修正かけまくりで、人ならざるモノになり果てたタレントをポスターや雑誌などで目にすることがある。
パッと見の印象は、死人。
2次元なのか3次元なのか、ボーダーレスでおおよそこの世のものとは思えないグロテスクなもの。
それが製作過程のボタンのかけ違いでないことは、お目にかかる頻度が物語っている。
誰が望んでいるんだ?
誰が喜ぶんだ?

「綺麗にしたい」という欲望は誰しもある。
たとえば「月夜」の実景を合成チームに頼むとする。
上がってくる画は、おおよそが絵画のような、美しすぎる月夜だ。
そこらへんにある、何の変哲もない月夜が上がってくることは、まずない。
同じことは編集にも言える。音楽にも写真にも言える。

綺麗にしたい。

PhotoshopやPlotools、Avidなどのハードの力を借りて、undoとミクロ単位での干渉が意のままにできる環境を手に入れた時、それは誰しも思うものなのだ。
しかし、そうやって隅々にまで手をほどこした結果、得られるものが最良であった試しは少ない。
どこか平板で、当たり障りのない、ノペッとしたものになり果てることのほうが多い。
結果、伝えたいことがボヤけてしまう。
綺麗にすることは、本来持ち合わせていた生命力を隠ぺいしてしまうことにも、繋がりかねないのだ。
なんというトラップ。
おかげで、よく引っかかる。
ハリウッドはそのへんのトラップをうまくくぐり抜けてるけど、技術が洗練され過ぎてて、凄さがよくわからない。
困ったね。
むしろ、60〜70年代あたりの作品の方が、やりたいことが明確で判りやすい。

この「綺麗にしたい」という欲求、最近の映画作りにおいても傾向が強いように思う。
つまり、「汚いものを隠す」傾向。
「これは客が退くだろう」という台詞や表現は、真っ先に削除される。
本質を伝えるためには必要なものであっても、それが毒なら覆い隠す傾向が強い。
もっと大きく言うと、ゆとり教育にもつながるユートピア排他主義
なるほど、アンドロイドしか生まれないわけだ。

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崖の上のポニョ』(DVDにて)★★★★☆

宮崎さんは闘ってる次元が違いすぎる。
自分が拠り所にしてたものが色々と否定されたような、励まされたような、いや、否定されたんだろうな。
まいったなぁ・・・
タレントに声優をやらせるのだけは、いまだに理解できないが。
業界トップにたつものがやっていいことではないだろうに。

それにしてもあの洪水の獰猛なこと!
67歳でまだあれがやれるのか・・・

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BLOOD THE LAST VAMPIRE』(DVDにて)★★☆☆☆

うーん・・・

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戦場のヴァルキュリア』(PS3)★★★★☆

巧い。
オタクに媚びたとこも感じるけど、キチンと戦争と向き合ってる志を感じる。

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『428』(PS3)★★★★☆

これ、ゲームなのか?という疑念がついてまわるが、実写だと難しいスケール感を、紙芝居という形式を利用してうまく成立させている。キャラ立ても巧い。番外編には泣かされた。須賀健太め・・・

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時をかける少女』(DVDにて)★★★★☆

巧いなぁ。
細田監督の演出もさることながら、脚本の奥寺さん、素晴らしい。

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『ボルト』(劇場にて)★★★★☆

巧い。
正義感の犬、ヒネた猫、お調子者のハム。
無駄のない適材適所。
しかし、ディズニーアニメはどうしてああも早口で被り気味でまくしたてるのか。
キチガイにしか見えない。

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『レスラー』(劇場にて)★★★★☆

計画性がまるでないダメ人間の物語。
ダメ人間の俺には切ない。
彼のステージを観たキャシディは何を思っただろうか。

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『ホステル』(DVDにて)★★★☆☆

よくできてるけど、最後の復讐劇はアメリカ仕様なのかな。
蛇足に感じた。
三池監督は何人を買ってどんな殺し方をしたんだろう。

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『The Hills Have Eyes』(DVDにて)★★★☆☆

ホラーというよりバイオレンス。

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『The Hills Have Eyes 2』(DVDにて)★★★☆☆

お化け屋敷。
アメリカはヒヨッ子が逞しくなるの好きねぇ。

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『BOY A』(DVDにて)★★★★☆

世間を震撼させる凶悪殺人を犯した少年が、出所後いかにして新しい人生を歩んでいくか、という物語。

気になるのは、出所した少年(青年)に情状酌量の余地を与えまくりな作り

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モンスターハンター3』(Wii)★★★★★

僕から言えることは何もありませんよ!

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モンスターハンターG』(Wii)★★★★★

かつてPS2でやった記憶をたどりながら・・・
ユーザーフレンドリーなトライの後でやると、そのマゾっぷりに心が折れそうになるが、モンハンそのものがこの時点でかなり完成されていたことに驚愕。

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アサシンクリード2』(PS3)★★★★☆

ルネッサンス期が体感できるよ!嘘じゃないよ!

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カールじいさんの空飛ぶ家』(劇場にて)★★★★☆

WALL Eと同じく、台詞を発しない前半が素晴らしい。★四つはそこにあてはまる。しかし、それ以降はいつもの優等生。宿命なのか?

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『晩春』(DVDにて)★★★★☆

ホームドラマといってよいのかしら?おそろしく上品で芯の強い作品。

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『チェイサー』(DVDにて)★★★★☆

素晴らしい。
内容はことのほかヘビーで、ズッシリのしかかってくるけど、その重量感は、近年の邦画がどうあがいても出せない質量。黒澤、今村がバリバリの頃にあった重量感に似てるのかな・・・
安易な演出には走らない。そしてなにより度胸と覚悟に溢れている。
こういう作品が500万人動員できる国民性も、その成熟さと無縁ではないだろう。