8月のクリスマス http://www.8xmas.com/


オリジナルは未見。

山崎まさよしの佇まいに魅了された。
不思議な魅力を持った人だ。
喋るとそうでもないが、黙ったときの雄弁さは他に類を見ない。
真に映画向きの素材だ。
それにくらべてヒロインの関めぐみはどうだ。
もやしみたいにひょろっとしてて、不恰好で、そのくせ教師だと言い張る。
あまりに不恰好なんで生徒の親から叱られる始末。
たわけが!

しかし、このみにくいアヒルの子は、生まれ変わっていく様が如実に見て取れる。
物語の中で体現してみせたように、主人公の生活に、この作品世界に華を添えるようになる。
おおよそこの作品に似つかわしくないヒロインが、こちらになんの断りもなくズケズケと上がりこんできたくせに、気がつけば動向が気になってしまってたり、あろうことかうっかり見守ってしまってたりする存在にまでなっていた。

長崎監督のキメ細やかな切り口は、山崎の佇まいは、高岡の町は、ただただ静かに流れる。
なんともわきまえた美しさに満ち溢れた作品でした。